株式会社小田製材所さま

お客さま訪問記

株式会社小田製材所さま

協会のお客さまを紹介します!お客さま訪問記

全国から頼りにされる「小径木の製材」

株式会社小田製材所さま 大分県日田市日ノ出町131

林業地として500年以上の歴史を刻んできた日田。木を育て、守り、その特性を生かす工夫を積み重ね、日本の三大林業地として名を馳せるようになった日田の地で、優れた木材を生産・加工し、全国へ供給する株式会社小田製材所さまを訪問しました。
株式会社小田製材所
常務取締役  小田 榮一郎 さん

スギとヒノキの製材で4工場を稼働

日田市郊外。筑後川水系・有田川のほとりに建つ小田製材所第1工場敷地内に入った途端、木の香りが体中を包み込みます。株式会社小田製材所の創業は1964年。「日田地域には50を超える製材所があり、取り扱う原木の径級ごとに専門特化されています」と説明してくださるのは、常務取締役の小田榮一郎さん。「当社は創業当時から小径木(直径7〜16cm)のスギとヒノキを専門としています」
創業時はもっぱら「ダンネージ」と呼ばれる船の積み荷の敷材を生産していましたが、木造建築部材の生産を順次拡大し、現在は日田市内に4工場を稼働する企業に成長しました。原木は日田市内7つの原木市場のほか佐賀、長崎、熊本などにも出向いて仕入れています。「当社の年間の原木消費量は約10万㎥。この数字は業界では大型工場の目安とされますが、全国的に見ても小径木でこんな量を扱う製材所はありません」と小田さん。製材した製品の販路は製品市場や商社を通じて九州はもちろん関西、名古屋、関東や北陸まで及んでいます。

左:丁寧に鉋がけを行った美しい木材。右上:原木の特徴をコンピュータが見極めて、全自動で製材を行う。右下:仕上がった製品は人の目で検品を行い、出荷する。

原木の見分け方・製材技術・製品の選別

「当社には製材所として3つの強みがある」と小田さんは言います。1つ目は原木の見分け方。原木市場でA・B・Cの等級付けをされた原木を製材所が入札しますが、同社では市場で等級付けをする際にも使う選木機を導入。これは他の製材所にはめったにないことです。市場で仕分けられたものをさらに仕分けることで製品のムラをなくすのです。
2つ目は製材技術。同社は約30年前に日田地区では他社に先駆けて全自動製材システムを導入。原木の形状の計測から木取りパターンの選択まで全てコンピュータが行い、無人で製材することができます。生産効率が大幅に上がり、従業員の負担も軽減されたそうです。同じく約30年前に導入したのがモルダー(木材に鉋がけをする機械)。当初は製材所が木材にわざわざ鉋をかける発想はなく、取引先や競合他社からは拒絶反応に近い声が上がったそうですが、建築現場で鉋をかける手間がなくなり屑も出ないということで喜ばれ、徐々に浸透していきました。現在では鉋をかけた木材をプレカット工場に納品して建築現場に届けるのが当たり前の時代。先見の明があったのです。

清らかな有田川のほとりに建つ小田製材所の第1工場。

国産材が見直されてきたことを見据えて

3つ目は製品の選別。原木を加工し、製品となった木材は等級付けをされますが、その基準は各社でまちまち。「当社ではどこよりも厳しい等級付けをしていると自負しており、それが顧客からの信頼につながっている」と語る小田さん。ちなみに、来る東京オリンピック・パラリンピックの選手村の一部にも小田製材所の製品が選ばれています。
今後の展望について小田さんに伺いました。「住宅着工戸数は人口減で減ってきているものの、一方で国産材の使用比率は伸びているのが現状。特にスギが見直され、2×4工法に使われたり、米国のフェンス材にも日本のスギが用いられたりしている。その供給基地として『小径木なら断然小田さん』『小田に行けば何でも揃う』と思われるような製材所になるのが当社の役割」
最後に、電気設備の保安管理についてご意見を伺いました。「保安協会さんとは長いお付き合い。定期点検を丁寧にしてもらっているし、大雨や雷などが原因で電気が止まったときにもすぐに対応してもらい、助かっています」

九州電気保安協会担当事業所
大分支部 日田事業所
酒見 剛

私は小田製材所さまの電気設備の保安を担当しております。“製材業”は日田の基幹産業です。この基幹産業を支えていくために、電気の安全を確保し、微力ながら地域に貢献していきたいと思います。

2019 Vol.6

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