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自家用電気工作物の保安規程とは?
~電気事業法で義務付けられた届出~
キュービクルなどの自家用電気工作物は、適切に管理しないと感電や火災、波及事故が発生する危険があります。電気事業法では、自己責任を基本に「保安規程の作成・届出および遵守」を義務付けています。自家用電気工作物の保安規程について、当協会の電気主任技術者がご説明します。
施設に応じた保安管理のルール
自家用電気工作物とは、600Vを超える高圧受電の事業所の電気を使用するための設備。また低圧受電の事業所であっても、出力10kW以上の非常用発電機や事業所構外にわたる電線路も自家用電気工作物に該当します。そして自家用電気工作物は電気事業法の規制を受けるため、新設時に国への手続きが必要となります。それは「保安規程の作成・届出および遵守」と「電気主任技術者の選任・届出」です。
保安規程は、自家用電気工作物の工事、維持および運用に関する保安ルールを確保するために設置者(自家用電気工作物を所有する事業所)が定めるルール。その範囲は、自家用電気工作物を管理する職務と組織について、保安教育に関すること、保安のための巡視や点検・検査の内容、電気工作物の運転・操作の手順、保安管理の記録、災害など非常時に採るべき措置など、多岐にわたります。
保安規程を遵守するために
一方、電気主任技術者の選任・届出は保安規程の作成・届出および遵守と表裏一体の手続きです。電気主任技術者は、自家用電気工作物の維持および運用に関する保安規程を全員で遵守していくことを監督するために設置者が選任する有資格者。保安規程の作成段階から電気に関する保安規程の知識を有する電気主任技術者の参画が必須なのです。しかしこれには有資格者の確保や経済的負担が発生します。
そこで外部委託承認制度を利用して電気主任技術者を外部に委託すると、自社での電気主任技術者の選任が不要となります。九州電気保安協会がその委託を受けた際は、保安規程の文案を作成し国への届出までの協力をします。そして電気主任技術者の代行業務を行い、電気工作物を適正に維持するための報告・助言をします。電気工作物の設置者と当協会が協力して保安規程を遵守するのです。
