「半断線」って何?

プロが解決!電気のギモン

「半断線」って何?

~見えないところに潜む危険~

暮らしの中で便利に使われているさまざまな家電製品ですが、使い方を間違うと思わぬ事故につながってしまうこともあります。電気を安全に、安心して使うためのチェックポイントの一つは、電気コードの「半断線」。半断線とは何か──電気保安のプロである当協会の電気主任技術者が説明します。

半断線とは銅線の一部が断線

般的な家電製品の電気コードの断面を見てみると、外側をぐるっと包んでいるビニールなどの絶縁被覆の中に、さらに被覆に包まれた2本の銅線があり、そこに電気が流れます。その1本の銅線はじつは1本ではなく、径0.1mm単位の細い銅線(素線)数十本をよ縒り合わせた1本の線(縒り線)になっているのです。その素線の一部がさまざまな要因で断線している状態が、半断線です。

線が完全に断線して、断線した一部の素線が接触状態で残ることも半断線です。使用している家電製品のコードを動かすと電気が切れたり入ったりするのはそのためです。半断線になる原因は、電気コードへの圧迫。コードを無理に曲げたり引っ張ったり、テーブルなどの家具でコードを踏んだり、ドアで挟んだりすることで、コードの中の銅線が傷ついて半断線となるのです。

対象品目

半断線が原因で火災事故に

際に半断線した電気コードをそのまま使うと、電流の通り道(銅線の断面積)が少なくなっている半断線箇所で余分な抵抗が発生して、発熱します。とくにドライヤーや電気ストーブ、電子レンジ、トースターなど消費電力が高い家電製品のコードほど発熱量が高く、そのまま使い続けると発火してコードの被覆が溶けたり燃えたりして短絡(ショート)し、火災になる危険性が高くなるのです。

断線の防止策は、ひとえに電気コードを大切に扱うこと。踏みつけたり引っ張ったり折り曲げたり捻ったりしないことです。電気コードをコンセントから抜くときは必ずプラグを持って抜いてください。ドライヤーのコードを引っ張りながら本体に巻き付けて収納することも半断線を招きます。電気コードを収納する際は小さな器具に巻き付けたりせず、コードを緩やかな円形で巻き束ねてください。

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