株式会社羽野製作所さま

省エネレポート

株式会社羽野製作所さま

長年にわたるデマンド監視
空調OFFで契約電力を抑制する

九州電気保安協会では省エネに取り組む企業や施設をサポートしています。
今回ご紹介するのは、プリント配線基板の設計・製造を行う株式会社羽野製作所さま。
品質管理部長の石津和紀さんに節電について語っていただきました。

株式会社羽野製作所

警報が出たら冷暖房を切る

当社は、電子機器製品の基幹となるプリント配線基板の設計・製造から部品実装・組立、性能検査まで社内一貫でできる製造設備を有しています。基板の製造工程にはコンプレッサーや真空プレス機、乾燥窯、加熱炉など大きな電力が必要な機器が多く、電気料金は毎月200万円前後と高額。そのために節電意識は高く、電気の基本料金を左右するデマンド監視装置も早期から設置していました。目標電力の超過が予想されると館内放送で全社に知らせ、一斉に冷暖房を切ることで電気の使い過ぎを抑えてきました。その監視装置にはモニターがないので、「デマンド警報中!」「デマンド注意!」「デマンド解除」と記した手製の紙プレートを掲示して管理していました。

株式会社羽野製作所

電気の「見える化」を実現

ところが、長年使ってきたデマンド監視装置が昨年夏に落雷の被害で壊れてしまいました。そこでECOねっとシステムを導入したのですが、使い勝手のよさに驚きました。設定以上の電気の量を検知するとモニターが数値表示とアラームで知らせてくれる。さらに、記録されたデマンド値や電力量などのデータをパソコン上で見て保存できる。以前の監視装置では記録がロール紙に出力されていましたが、それはアナログのデータで見にくく、警報が出るたびに監視装置のそばに設置した一覧表に数値を記入していました。ECOねっとシステムは電気が見やすい──「電気の見える化」を実感します。アラームが鳴った際の行動は昔もいまも同じで空調を切る。昨年夏の導入時に契約電力465.6kWでスタートしましたが、それを超えたことはなく、現在も維持しています。

多品種小ロット生産の電気の動き

空調を切ることで最大デマンドの発生を抑えているので、やはり冷暖房をよく使う夏場や冬場にデマンド警報のアラームが鳴りがちということになります。1日の流れで見てみると、警報が出やすい時間帯というのはありません。というのは──毎日決まった製品を大量に製造する工場ならば、機器が一斉に立ち上がる始業時に使用電力が大きくなるのでしょうが、当社が手がけるプリント配線基板の製造は一般消費者市場ではなく、産業機器やインフラ機器向けなので、多品種小ロットの製造。日によって製造する製品が違うし稼働する機器も違うので、使用電力も変動します。11時にアラームが鳴ったり、14時に鳴ったりすることも。ただ、夕方から終業時間にかけては使用電力が下がっていく傾向はあります。

株式会社羽野製作所

機器の更新で省エネタイプに

照明に関してはかなり早くから全社LED化しています。現在の目標デマンドは465kW。空調を使ったら最大デマンドぎりぎりという設定ですが、今後もこの設定を維持していきたい。もっと長期的な視野で言えば、機器も空調も更新で新しくすると高効率タイプのものになるので、それが積み重なれば近い将来に目標デマンドを引き下げることができるかもしれません。実際、大型コンプレッサーの1台を最近更新したのですが、同じ性能で使用電力が35%下がっています。
省エネに関して私個人の思いとしては、地球に優しくないエネルギーは使いたくない。クルマも極力乗らないで、自転車通勤しています。電気は使わないわけにはいかないけれど、少しでも節電に努めてCO2排出を減らしたいですね。

ECOねっとシステム

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