有限会社 西田農産 さま

お客さま訪問記

有限会社 西田農産 さま


鹿児島県西之表市西之表3703
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石蔵で50日かけて熟成させる極上の安納芋

 安納焼き芋
連続式炭火焼き芋製造装置(特許取得)で焼いた安納焼き芋は中心部まで均一に焼けている。袋パックして急速冷凍し、「安納蜜いも」として全国に出荷。

安納芋のふるさとは種子島

いま、焼き芋といえば「安納芋」。しっとりとした食感と蜜が出るほどの甘さで全国的に人気が高まり、ケーキなど菓子の素材としても普及しています。安納芋発祥の地は種子島。その暖かい気候と海洋ミネラルを含む潮風の力で、甘く、まろやかな安納芋を育てているのが、有限会社「西田農産」です。「農場の総面積は105ha。そのうち45haで安納芋を栽培しています」と語るのは、西田農産代表取締役の西田博一さん。その他の甘藷(かんしょ)やサトウキビ、早期水稲なども栽培しているという西田農産の設立は2003年。西田さんの父・春樹さん(現会長)は当時、種子島で土木・建築の㈱西田工業を営んでいましたが、公共事業の激減に伴う企業の生き残り策として農業に参入したのです。現在でも西田農産の農地や施設の整備には西田工業の社員や重機が活躍しています。

 西田博一さん
「基腐病の被害でダメージを受けた年もありましたが、土づくりや輪作・耕耘(こううん)などの工夫で高品質な安納芋の安定生産に努めます」と語る代表取締役の西田博一さん。

こだわりの循環型農業

西田農産の安納芋にはこだわりが詰まっています。その一つが土づくり。有機肥料を使って減農薬栽培で安心安全の芋を育て、自社に堆肥製造工場を備えて西田さん自ら堆肥の研究と質の向上を熱心に進めています。もう一つは、巨石を積み上げて建設した自慢の石蔵貯蔵庫。「庫内は一定の温度と湿度が保たれており、ここに50日以上貯蔵することで安納芋はゆっくりとデンプンを糖に変えていき、驚くほど糖度が高くなるのです」と西田さん。熟成した安納芋はそのまま生で出荷もしますが、自社で焼き芋にして冷凍出荷もします。独自の技術で開発した溶岩プレートの焼き窯を炭火でたいて2時間じっくり。遠赤外線の力で焦げることなく、甘い蜜たっぷりのおいしい焼き芋に仕上げます。炭は西田工業で発生する端材を活用して自社で製造。堆肥の製造と併せ、種子島の資源で循環する農業・加工業なのです。

 安納焼き芋
 安納焼き芋
最大600トン入る石蔵貯蔵庫内で50日以上熟成される安納芋。庫内は常に13.5℃の温度と95.0%の湿度が保たれている。西田農産の安納芋のおいしさを左右する環境で熟成された安納芋は糖度16度以上を確保。

持続可能な農業を追究

安納芋はペースト加工しても販売し、大手メーカーから全国の菓子製造店まで取引されています。西田農産は設立当初から焼酎原料の芋を栽培してきましたが、現在は紫芋「種子島ろまん」を使ったオリジナル焼酎「蔵弥一」を販売しています。また、サトウキビを加工した粗糖も全国から引き合いがあります。「安納芋は当社のメイン商品。まだまだ需要に対して生産が追いついてないので安定供給体制を進めていますが、一方でリスクマネージメントとして次世代の新たな商品づくりにも挑戦しています。会長からは、日本の食料自給率のために持続可能な農業を突き詰めてほしい、と言われています」と展望を語る西田さんに、施設の電気設備の保安管理についてご意見を伺いました。「冷凍庫など湿度が高い設備では漏電が心配ですが、九州電気保安協会にしっかり点検していただいているので安心です」

安納芋
安納芋
(上)8月末に始まり、霜が降りる12月中旬までに収穫される安納芋。 (下)紫芋「種子島ろまん」を原材料にし、濵田酒造(いちき串木野市)に製造委託した本格焼酎「蔵弥一」。

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