株式会社丸栄紙管さま

お客さま訪問記

株式会社丸栄紙管さま

協会のお客さまを紹介します!お客さま訪問記

小口径品から大口径品まで多様なニーズに対応

株式会社丸栄紙管さま 福岡県久留米市城島町江島10(江島工場)
http://www.maruei-shikan.jp/

紙で作られた管=紙管は「巻く」「包む」「支える」といった機能で、暮らしの空間から農業・工業まで幅広い分野で活躍しています。そんな多様なニーズに応えて紙管の製造一筋に歩む株式会社丸栄紙管さまを訪問しました。
株式会社丸栄紙管
代表取締役社長 今村 泰生 さん

薄く柔らかい紙管から厚く強固な紙管まで

紙の特性と円柱の形状を活かし、巻芯や容器など幅広い分野で使われる紙管。株式会社 丸栄紙管の前身は丸栄工業所。昭和30年代には松材を利用した薄板や折り箱などの包装材を製造していました。40年代になるとトイレットペーパー芯を製造するために平巻きの機械を導入し、その後スパイラル巻きのクレンザー容器紙管も製造。「これが紙管製品を手掛けた始まりです」と語るのは、代表取締役社長の今村泰生さん。「オイルショックで木材が高騰したのを機に松材の包装材をやめ、昭和47年に丸栄紙管を設立。紙管の専門メーカーとなったのです」
紙管は一般紙管と容器紙管に分類されます。一般紙管は主に巻き取り芯として、家庭用ラップや各種テープ、農業用ビニールシートなど、実にさまざまな用途に使われます。例えば同社では家庭用ラップの紙管だけでも月に200万本を生産。薄く柔らかな紙管から厚みのある強固な紙管まで、幅広いニーズに対応しています。

左:久留米市内にある丸栄紙管の江島工場。右:細いテープ状の紙を巻きながら筒状にしていく。

商品の付加価値を高める容器紙管

一般紙管(スパイラル紙管)の製造工程は、原紙を細いテープ状に切り、それを紙管の芯となる金属棒に螺旋状に巻き付けることから始まります。厚みにより巻き付ける枚数が異なります。巻き終わったらそのまま出荷する場合や、さらに二次加工でそれを短く製品の長さに切断する場合もあります。外観や規格寸法、強度などの検査をして出荷するという流れです。
「機械は基本電子制御になっていますが、頼りになるのは人の熟練の技」と今村さん。「0.1ミリ単位の神経を使う作業もあり、湿度や気温も考慮します」
同社の売り上げの7割は一般紙管ですが、一方でその比率を上げているのが容器紙管。お菓子やお茶、清酒や焼酎、化粧品などの包装容器として、従来のブリキ缶や紙箱が徐々に容器紙管へ切り替わっているそうです。
「紙特有のあたたかみと優しさを活かした容器紙管には、中に入れる商品の付加価値を高める力があります」と今村さん。「丸い形は昔から縁起物。贈答品への用途が増えています。贈答された後もしばらく手元に置いて眺めたくなるような美しい容器紙管を作っていきたい」と語ります。

茶筒にも、色・柄・形の組み合わせでさまざまな表情が生まれる。

「ハイブリッド紙管」を実用新案登録

容器紙管の製造には紙管の表面にラベルを貼るといった工程がありますが、需要が急増して注文を捌き切れなくなった同社は「ハイブリッド紙管」を開発しました。これは強度の高いスパイラル紙管と簡易な技術で製造できる平巻紙管を組み合わせて一つにしたもの。核となるスパイラル紙管を同社が手がけ、平巻紙管を協力会社が担うことによって大量生産が可能となったのです。さらにハイブリッド紙管には、単価を抑制できてデザインの自由度も上がるという特長があり、首都圏や関西圏からの引き合いも増えています。「容器紙管の企画から製品化までには2〜3カ月かかり、試作を繰りかえすこともありますが、世に出て人気を集めれば作り甲斐があります」と今村さん。
最後に、電気設備の保守管理についてご意見を伺いました。「保安協会さんには台風による停電時などにも素早い対応をしてもらい、工場の設備や省エネの相談にも乗ってもらって、当社の良きパートナーだと思っています」

九州電気保安協会担当事業所
福岡支部 久留米事業所
古賀久 師

丸栄紙管さまの製品は、生活のさまざまなシーンで「巻く」「支える」「包む」などの活躍をしています。私もお客さまのお役に立てるよう、電気の安全・安心をお届けしていきます。

2019 Vol.3

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