知っ得!電気設備のまめ知識
放射温度計ってなに?
お客さまの電気設備の安全を守るために、電気保安のプロが行う定期的な点検では、
さまざまな道具を使って機器や配線を計測し、電気設備に不具合がないかを調べます。
今回は、点検に欠かせない測定器のひとつ「放射温度計」についてご紹介します。
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電気設備も病気になると熱を出す!?
私たちは病気になると発熱しますが、電気設備も同じ。過負荷や端子の接触不良、劣化などの問題があると過熱します。電気機器の異常な温度上昇は、電気設備の停止や火災などの事故につながる可能性があり危険です。そこで、事故を未然に防ぐために役立つのが、電気機器や配線の温度を測る「放射温度計」です。当協会では、お客さまの電気設備の「月次点検」や「無停電年次点検」などの際に、必ずこの温度計を使って定期的に測定を行っています。
放射温度計どうやって測るの?
放射温度計の使い方はいたってシンプル。対象物に温度計を向けると、温度を色で可視化したサーモグラフィーで表示します※。対象物から放射される赤外線を測定し、温度に換算するというしくみです。高い所にある機器や、触れると感電の恐れがある機器、稼働中のモーターなどの温度を離れたところから非接触で測れます。電気設備を停電させることなく点検できるため、お客さまの負担もありません。
※サーモグラフィータイプの場合離れたところから安全に計測できる温度の異常で接触不良を発見
放射温度計による点検は、どんな異常を知らせるのでしょうか。過去の事例によると、動力配線用遮断器を測ったとき、通常60℃程度の接続部が90℃に過熱しているのを発見。原因は遮断器のバー表面部のわずかな凹凸による接触不良。紙やすりで研磨して復電すると、60℃に下がりました。その他、ネジの緩みや定格容量を超えた使用など、ちょっとしたことでも過熱します。これらを見逃さずに対処することが、電気設備の安全につながるのです。
サーモグラフィーにより、過熱部分が一目瞭然▲