企業も家庭も節電の原点は同じ

省エネレポート

企業も家庭も節電の原点は同じ

九州電気保安協会では省エネに取り組む企業や施設をサポートしています。今回ご紹介するのは、段ボールを中心にさまざまな紙器・包装材を製造するコバシ株式会社の宮崎工場さま。副工場長の畠山浩志さんに節電について伺いました。

コバシ株式会社 宮崎工場 さま 宮崎県児湯郡川南町大字川南21728
東京に本社を置くコバシ㈱は1955年設立。段ボール・包装材料事業を中核とした総合物流会社で関東と九州、タイに工場・事業所を展開。宮崎工場は1977年設立。従業員30名。

コストの削減を目指して

当社の宮崎工場は段ボールの製箱設備を完備して多品種の段ボール箱を製造し、宮崎県中央部という立地の良さを生かして県内一円に出荷しています。電気に関しては、段ボールシートから段ボール箱を組み立てる製箱工程のラインや印刷機械に大きな電力を使っており、そのエネルギーコストを少しでも削減しようと、5年前に電気保安協会の勧めで使用電力のデマンドを監視するECOねっとシステムを導入しました。それまでの契約電力は106kW。そこで目標デマンド値を90kWに設定し、ECOモニターを事務所に設置しました。

ピーク電力を監視して自動制御

電気使用のピークが出やすいのは、空調がフル稼働する夏と冬。とりわけ12月・1月は繁忙期で、機械も長時間フルに稼働する。時間帯では、朝の操業開始と午後の操業再開時。機械も空調も一斉に稼働すると電気の負荷が急激に上がるのです。
ECOねっとシステムの警報が鳴ったときは事務棟の空調を手動で切ったり送風に切り替えたりします。同時に内線電話で工場の現場責任者に通報。まず製造ラインの稼働状況を確認し、状況に応じて停止することができる機械を一時停止します。製造ラインには多くのモーターが組み込まれていますが、22kW出力のモーターを1台止めるだけで電気使用量を大きく下げることができます。
さらに昨年からは事務棟の空調にピーク電力制御装置を設置。これはECOねっとシステム本体から信号を受けて、各空調の室外機に伝えて出力を自動制御するもの。手動で空調を停止する煩わしさから解放されました。

契約電力を106kWから90kWへ

このようなデマンド対策で、ECOねっとシステム導入から5年後の現在もずっと契約電力90kWを保っています。
デマンド対策だけではなく、普段からも社員一丸となって節電の取り組みをしています。照明もまた使用電力の大きな要素ですが、当工場ではほぼLED化されています。部署ごとのこまめな消灯を行い、社員食堂やトイレなども消し忘れがないようにしています。ただ工場ではあまりにも消灯にこだわって薄暗くするとけがや事故のもとになるので、気をつけています。空調に関しては、夏場の冷房をいきなり強くするのではなく、28〜29℃設定にして、そこでまだ不快なら少しずつ設定温度を下げていく。工場ではスポットクーラーを併用しています。

毎月の電気料金を検証

企業の節電のコツは家庭の節電と同じ。一人一人の節電意識を高めて共有していくことが大事だと思います。当工場では毎月の朝礼で必ず節電を呼びかけています。また光熱費に関してはあらかじめ年間予算として計上しており、毎月の数字を前月比、前年比にして検証するなどの管理をしています。ECOねっとシステムをはじめ省エネのための新しいシステムが出てくると思うので、今後も電気保安協会にはいろいろ紹介してもらえればありがたいです。それを最大限活用し、自分たちのスキルも高めていけば、もっとコスト削減につながるのではないかと思います。

1各地のネットワークを生かしながら地域社会に
貢献できる企業を目指すコバシ株式会社
コバシ株式会社
2事務所に設置されたECOモニターが電気の使い過ぎをお知らせ
ECOモニター
3空調の室外機に取り付けた装置がECOねっとシステムからの
信号を受け、室外機の出力を自動制御する
ECOねっとシステム
4工場内の照明をLED化したうえで、こまめな消灯を行っている
照明
ECOネットシステム

このカテゴリの関連記事

Page Top