お客さま訪問記
株式会社ユピテル鹿児島 さま
ドライブレコーダーやレーダー探知機などの車載電装品でおなじみの無線通信機器メーカー・ユピテル。その基幹技術の進化と独自のモノづくりを実現するために設立した株式会社ユピテル鹿児島さまを訪問しました。
自己完結型の生産拠点
ユピテル鹿児島はユピテル製品の開発・製造拠点として2007年に操業開始。設備・施設を拡充していき、現在では一部の海外製造を除き、ユピテル唯一の製造拠点になりました。「つまりユピテルの製品は鹿児島産です」とにこやかに語るのは、同社総務課の上原昭芳さん。「当社では研究開発から設計、材料を仕入れて加工・組立、そして製品出荷まで、すべての工程を工場内部で行っています」
上原さんの案内で工場内を見せていただきました。ここでは流れ作業のラインではなく、一人一人が複数の作業を担当するセル生産方式。電子部品を基盤に高速で実装するマウンターやネジ締め・ハンダ付け自動ロボットなどを駆使して、それぞれの班が小人数で手作りに近い感覚で作業しています。各セルから製品を運ぶのはAGV(無人搬送車)。より安全で効率的な生産のために工場の生産システムや設備を進化させているのです。
コア技術から生まれたプロダクト
マイクロ波と無線通信をコア技術として成長したユピテル。その技術の集大成が、他社に先駆けて1970年代に開発したレーダー探知機です。もう一つの主力製品・ドライブレコーダーも、まだ世間にあまり認知されていなかった2009年にいち早く商品化。最近の話題では、全方位720°記録の全天球ドライブレコーダーを他社に先駆けて商品化しています。その他、カーセキュリティーなどの車載用品やゴルフナビ、ゴルフスイングトレーナー、法人向けの業務用監視レコーダーやフォークリフト用ドライブレコーダーなど、製品の幅を広げています。
さらに新たに取り組むAI・IoT製品として、安心・安全な暮らしに役立つ自然対話型の見守りロボット「ユピ坊」を開発。一般的な見守り機器の「監視されている」感覚ではなく「一緒にいる」感覚で、対話を楽しんだり、スマートフォンを介して離れている家族とテレビ電話をしたりすることもできるコミュニケーションツールです。
「霧島レイ」の聖地
同社は鹿児島の地域振興にも貢献しています。鹿児島大学を中心とする小型ハイブリッドロケット開発のプロジェクトを応援。昨年には同社のドライブレコーダーを搭載した「ユピテル号」の打ち上げに成功しています。
2011年、ユピテルのアニメキャラクターとして登場したのが「霧島レイ」。レーダー探知機内に画像と声で安全運転をサポートする少女で、全国的な人気を得てファンクラブのコンテンツを立ち上げ、バーチャルフィギュアなどのプロダクトを発売しています。昨年は霧島市と連携して霧島レイのスタンプラリーを開催。専用アプリをインストールしたスマートフォンで霧島市内の観光スポットを巡ってスタンプを集めるもので、全国から多くのファンが訪れました。「地域の経済効果のお役に立てたと思います。霧島レイの聖地ということで当社にも大勢の人が訪れました」と上原さん。最後に、施設の電気設備の保安管理についてご意見を伺いました。「保安協会は何かあったときにすぐ対応してくれる。台風の停電では夜中でも駆けつけてくれて、感謝しています」