お客さま訪問記
道の駅北川はゆま さま
道路利用者の休憩施設であるとともに、地域の賑わい創出の核となることをめざす道の駅。宮崎県下でも有数の来場者数を誇る「道の駅北川はゆま」さまを訪問しました。
東九州自動車道・北川ICに隣接
年道の駅北川はゆまは、北川町の「情報と人と物の交流の場」として平成8年にオープンしました。「はゆま」とは、飛鳥時代に設けられた駅制度において、情報伝達拠点である「駅」に置かれた早馬のことです。当初は国道10号線沿いの道の駅としてそれなりの数の利用者を集めていましたが、平成24年の北川IC開設を機に様相が変わりました。「国道と高速道路のアクセスポイントとなり、また北川ICは無料で出入りできるので、高速道路のサービスエリアとしても活用されるようになりました」と語るのは、道の駅北川はゆまの脇坂光一駅長。「北川町のコミュニティバスも当駅を中心に運行されており、いわば町内外の交通の結節点。利用客は年間約120万人に増え、施設も拡充しました」
ここでしか出会えない食文化
脇坂さんに施設を案内してもらいました。北川町の食文化を楽しめるのは「レストランはゆま」です。定食・丼物からカレー、麺類まで豊富なメニューを揃えますが、「このレストランでしか味わえない逸品」と脇坂さんがイチ押しするのは、日向灘で取れたシラスがのる「生しらす丼」。釜揚げではなく生のシラスを味わえます。また北川の伏流水で育ったウナギを使う「うな重」や、延岡発祥の「チキン南蛮定食」も人気。レストランではウイルスなどの感染リスク低減のために、注文はタブレットで、配膳はロボットが行っています。
「物産館」では地元の生産者による四季折々の新鮮な農林水産物を販売。また土産品も豊富で、他所ではなかなか手に入らない名物が並んでいます。北川産生姜を使った「のべおかジンジャーエール」は同駅のオリジナル商品。宮崎産の栗を使った菓子や北浦の海水から採った「月の塩」など「県北を中心に宮崎の隠れた名産品や逸品を販売していきたい。そういう商品探しに力を入れています」と語る脇坂さんです。
防災施設としても機能
「同駅にはパン工房と菓子工房もあります。人気を集めているのは、延岡学園高校調理科の生徒たちと共同開発した「のべがくプリン」。「生徒の実践型社会体験に協力することも当駅の役割。高校生による販売イベントなども実施しています」と脇坂さんは語ります。
そしてもう一つの役割は「防災の道の駅」。災害が起こると自衛隊や救急隊などの関係車両がここに集結して救助に向かいます。道の駅の施設も避難所として開放。自家発電システムや貯水設備も備えているので、万が一インフラが絶たれても数日は持ちこたえられます。
今後については「全施設にテラス屋根を渡して、その前でイベントができるようにします。生産者の方を雇用した惣菜工房を開くことも計画中。通りすがりの道の駅ではなく、この道の駅を目的地にしてもらえるよう、もっともっと魅力を増やしていきたい」と脇坂さん。
最後に、施設の電気設備の保安管理についてご意見を伺いました。「自家発電システムなどは自分たちの手に負えません。それも含めて保安協会に定期点検やメンテナンスを見てもらっているので、安心しています」