省エネ意識を持ち続ける

省エネレポート

省エネ意識を持ち続ける

九州電気保安協会では省エネに取り組む企業や施設をサポートしています。今回ご紹介するのは、高い技術とノウハウで多様なニーズに的確・柔軟に対応する泰平印刷株式会社さま。代表取締役の森實悦史さんに節電について伺いました。

泰平印刷株式会社 さま 福岡県北九州市小倉北区鋳物師町1-1
1953年設立。事務印刷や商業印刷の企画・提案から印刷まで行う総合印刷会社。印刷データを活用し、デジタル媒体を利用した販促ツール作成も展開。

電気が見えるシステムで節電

当社は2005年に環境を大切にする企業の証であるISO14001の認証を取得し、それをきっかけに社員の省エネ意識は高まっています。
電気使用に関しては、始業時間より前にエアコンを入れない、昼休みは消灯し、使っていない部署の電気を切るなど、決まりごとのように節電意識が身についています。従業員が自ら進んで節電に取り組むのはいいことですが、その効果が見えないと意識もだんだん下がっていきます。
そこで節電を数値化して見えるようにするために2014年、ECOねっとシステムを導入しました。ECOモニターは最も電気を使う2つの工場にそれぞれ設置しています。

電力使用を分散する

それまで契約電力が184kWだったので、ECOねっとシステムの目標値を150〜160kWに設定しました。最大デマンドが出やすい季節はやはり暑い夏場。時間帯でいえば10時から11時と、昼休みを挟んだ13時、工場が一斉に立ち上がるときです。当社で使用電力が最も大きいのは3台の大型印刷機。ECOモニターから警報が鳴ったら、オペレータはまずこの3台の稼動状況を確認します。そして「この印刷機はあと10分稼動する。いま停められない」と判断すれば、他の機器を一時停止する。デマンド値は30分ごとの平均電力だから、作業工程を最大でも30分ずらすだけでデマンドを下げることができ、電気使用の分散化をすることで乗り切ってきました。

目標デマンド130kWに挑戦

 夏場の工場内は高温になるのでエアコンは欠かせません。古くなったエアコンを随時、高効率のインバータ型に替えていますが、世界的に続く半導体不足で、発注してもなかなか納品されなくて困っています。昨年の夏は補助としてスポットクーラーを併用。また屋根からの熱を防ぐため、天井には断熱シートを貼りました。
照明器具は10年前に工場内すべてを一挙にLEDに交換しました。印刷の現場では正確な色を見極めるために照明の色を統一しなければなりません。随時交換というわけにはいかないのです。
当初に設定した目標デマンドは概ね達成でき、昨年から目標デマンドを130〜140kWに設定しています。

CO2排出量が最大46%減へ

いま、当社では改めて整理・整頓といった5S活動に取り組んでいますが、これも省エネに繋がります。整理・整頓すれば必要な物を捜す無駄な時間がなくなり、生産効率が上がります。また、残業が減り、その分電気も使わない。こういうことで電力使用もさらに削減できるのです。
当社の本社がある北九州市は、2018年にアジアで初めてSDGsのモデル都市に選ばれました。その中にあって当社は印刷業界のCSR認定制度(全印工連CSR認定)の基準を達成した北九州で唯一の企業です。基準の8分野の中に「環境」があり、従業員の省エネ意識を継続させるためにもカーボンオフセットに取り組んでいます。このECOねっとシステムを使った節電によって、CO2排出量は最大46%減となりました。

1最も電気を使う工場内に設置「ECOモニター」で電気を見える化
2印刷機の稼動のタイミングを調整しデマンドをコントロール
3いろいろな遮熱対策を講じてきた中で一番効果を発揮した銀色の断熱シート
4いち早く取り替えたLED照明環境未来都市・北九州の企業としてこれからもCO2削減にこだわる

このカテゴリの関連記事

Page Top