株式会社山忠 さま

お客さま訪問記

株式会社山忠 さま

日本人の食卓にお馴染みの「ひじき」。大分県内随一の水産都市・佐伯市でひじき加工品生産シェア国内トップを誇る海藻加工食品会社―株式会社山忠さまを訪問しました。

株式会社山忠 さま 大分県佐伯市鶴谷町1-4-30
http://www.seaganic.co.jp

海の有機野菜──SEAGANIC

山忠の創業は昭和22年。佐伯市で海産物の販売をする山城忠商店が原点ですが、5年後には加工場を開設して青のりやひじきの加工・製造を始めます。昭和48年に株式会社山忠となってからはカットわかめ、糸わかめなどの製造も加え、国内初の海藻サラダや海藻の抽出物アルギン酸から作った新食品「プチマリン」を開発するなど、海藻加工食品の製造販売のパイオニアとして成長を続けています。その根幹を成すのは独創的な商品開発と徹底した品質管理。海に自生する海藻を自然のままに美味しく、安心と安全を添えて届けるための技術が山忠独自の製法を生み、「海の有機野菜」を意味するSEAGANIC(シーガニック)というコンセプトブランドを展開しているのです。
そんな同社を代表する主力商品が、ひじき。「会社の創業期に地元の生産者から、ひじきがあるのでお金にならないかと依頼があって、それで加工するようになったそうです」と語るのは代表取締役社長の山城繁樹さん。「古文書によると当地では昔からひじきが重宝されていたようです。そこで栄養学的に優れたひじきの安定供給をめざすことにしたのです」

東日本大震災を機に生産体制のリスク分散を図るため、豊後大野市にも工場を建設。

山忠独自のノンドリップ蒸煮製法

ひじきは産地で採取して天日乾燥した後に加工場へ搬入されます。加工場ではひじきの水戻し・水洗いを経て蒸者(じょうしゃ)しますが、従来は長時間・高温・高圧で蒸す方法が一般的。「でもこの方法だと長時間の加熱や圧力によってひじきの組織がダメージを受けるんです」と山城さん。「そこで当社では短時間・低温・常圧で仕上げるノンドリップ蒸煮製法を独自に開発(特許取得)。ひじきの組織を損なうことなく、みずみずしい食感と本当の美味しさを保つことに成功しました」
蒸煮したひじきは乾燥して出荷され、家庭などで水戻しして調理されますが、ノンドリップ蒸煮のひじきは水戻りが早いのも特長。その特長を応用して、乾燥したままのひじきを豆腐に混ぜて5分で調理できる画期的な商品「ひじき白和えの素」(特許取得)なども開発しています。

日本の海にひじき畑を

ひじきを含めて海藻を食べるのはほぼ日本人だけだといいます。しかし国内で流通するひじきの大半が外国産。その現状を憂う山城さんは、国産ひじきの生産量増加のために「ひじき畑プロジェクト」と称する養殖場づくりを進めています。「生産者の収入安定と雇用の創出、藻場の再生から海水の浄化にも期待できると考えます」と語る山城さんは自ら各地の漁協に足を運んで協力を呼びかけ、現在、九州・四国・山口の海で養殖場が広がっています。そしてさらに「新型コロナウイルスが終息したら海外にも進出したい。日本が世界に誇る海藻食文化を東南アジアにも広げていきたいと考えています」
最後に、加工場の電気設備の保安管理についてご意見を伺いました。「安心・安全な食品作りのために電気は欠かせないもの。これまで電気のトラブルは一度もなく、点検や設備診断をお任せしている保安協会には感謝しています」

安心で安全な日本の海藻食文化を担う

大分県佐伯市、豊後大野市のふるさと納税の返礼品としても選ばれているバリエーション豊かな山忠の商品。
「自分がこれだ!と思ったら、すぐに行動して交渉をまとめる。仕事はスピードが勝負」と語る株式会社山忠 代表取締役社長 山城繁樹さん。
(上)プチプチシャキシャキとした食感が特徴的な「プチマリン」は低カロリーでカルシウムが豊富。(下)「ひじき白和えの素」は白和えの他にハンバーグや卵焼き、コロッケなど幅広く活用できる。
(左)今がひじきの旬。毎年3月~5月に収穫し、浜辺で天日干しを行う。 (右)高い品質を保つために自らが管理・育成するひじきの栽培計画を各地で展開。

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