未然に事故を防止するための 電気使用安全教室

現場レポート

未然に事故を防止するための 電気使用安全教室

九州電気保安協会ではお客さまや一般の方々に向けて、電気使用の安全に関する
知識と理解を深めていただくための講習会「電気使用安全教室」を開催しています。
今回はその教室の現場を、当協会大分支部の佐藤正章がご紹介します。

安全教育の一環として

電気事故を防止するために正しい電気の取り扱いをお伝えしていく電気使用安全教室。これまで、公民館や学校、子ども会、企業さまなど多くの方に受講いただいています。今回訪問したのは、レトルト・缶詰食品のPB・OEM開発を行う大分県豊後大野市の株式会社成美さま。食品加工の電気機器を扱うことが多い従業員への安全教育に活用したいとのことで、開発営業部長の藤原さまに受講していただきました。

電気の安全な使い方

まずは「電気の安全な使い方」として感電や漏電、短絡(ショート)、火災など電気事故の主な種類を説明し、それぞれの事例を紹介しました。電気器具の不備や電気の使い過ぎ、延長コードの取り扱いミスは、漏電や短絡を発生させることがあり、感電や火災の原因となります。そこで配線器具の定格や電気絶縁の構造などについて説明した後、事故事例とともに事故の主な原因となるタコ足配線やプラグのホコリなどを紹介し、防止対策をアドバイスしました。説明する際は、電気の専門用語をなるべく使わず、お客さまが分かりやすい言葉を使うように心がけています。

温度の異常で接触不良を発見

「電気の安全な使い方」をご説明した後は、その内容を目で見て実感していただくために、さまざまな装置を使って実演しました。たとえば「短絡事故実験装置」は、人為的に短絡を起こして接触箇所に発生する閃光と衝撃音、それに焼損を見てもらうものです。漏電や過電流が発生すると自動的に電気を止める「安全・ブレーカー学習パネル」の実演では、家庭にも設置されている身近なブレーカー(分電盤)ということもあり、復帰の手順の説明に熱心に聞き入ってくださいました。

今後も増えていく無停電年次点検

最後に「電気を上手に使いましょう」として、省エネ・節電対策についてお伝えしました。事業所などの高圧受電と家庭などの低圧受電の違いを踏まえ、電気料金のしくみから基本料金、電力量料金それぞれの削減対策を紹介していきます。具体的な省エネ事例としてエアコンや冷蔵庫など身近な電気製品を取り上げることで、分かりやすい説明を心がけました。
およそ45分の講習を終えた藤原さまからは「電気保安のプロに直接教えてもらい、体験しながら学べるのがよかった。操業を停めて従業員全員が集まることは難しいが、年間計画の中に設定して業務の一環として受講できるようにしていきたいと思う」との感想をいただきました。
過去に催した教室では業務に関わる電気のことだけでなく、家庭での電気のお困り事についても相談を受けたことがあります。私を信用してくださっているのだと感じて嬉しかったですね。お客さま、そして地域の皆さまとの信頼関係を築くきっかけのひとつとして、これからも電気使用安全教室に取り組んでいきたいと思います。

規模や内容によってアレンジできます

講義内容は事前に受講者の要望を伺って設定し、当日は説明資料に沿ってご説明します。受講者が多い場合はDVDやパネルを活用するほか、お子さまにはイラスト付きの冊子をお配りします。

体験しながら学べる災害対策

地震の揺れを感知すると、分電盤の電源が自動で切れる「感震機能付き分電盤」。この体験装置を使ったレクチャーも行っています。阪神大震災で起きた電気火災を教訓に、安全対策として設置を呼び掛けています。

大分の食文化を全国へ

今回教室にご参加いただいた成美さま。豊後牛や椎茸など、大分自慢の食材を使った料理を手軽に楽しめるレトルト食品を開発・製造し、大分空港やオンラインショップなどで販売しています。

実施のご要望は当協会の最寄りの事業所までご相談ください。

九州電気保安協会
大分支部 日出事業所
佐藤 正章

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